今日は残業で、家に着いたのは九時をまわっていた。満員電車の窓に、ぼんやりと自分の顔が映っていて、あ、今日はずいぶん疲れた顔をしているな、と他人事みたいに思った。八月の東京は夜になっても蒸し暑くて、駅を出た瞬間にどっと汗がにじむ。マスクの跡がついた頬とか、崩れた前髪とか、見なきゃよかったと思うようなものばかり窓には映っていて、ちょっと憂鬱になった。
コンビニに寄って、冷たい炭酸水だけ買って帰った。本当は何か甘いものも欲しかったけど、我慢できた自分をこっそり褒めておく。一人暮らしのワンルームに帰って、灯りをつける前にまずエアコンのスイッチを押すのが、この時期のお決まりの動作になっている。
鏡の前に座って、今日の疲れた顔をもう一度ちゃんと見てみた。電車の窓で見たときより、なんだか少しほっとした表情をしていた気がする。家に帰ってきたっていう、それだけで肌もゆるむのかもしれない。化粧をきちんと落として、いつもより少し多めに化粧水をはたく。バシャバシャとやりすぎて、鏡にまで飛び散ってしまうのが私のいつものパターンだったりする(笑)。
疲れている日ほど、丁寧にケアする気力なんて残っていないはずなのに、なぜか手だけは勝手に動く。習慣というのはありがたいもので、気持ちがついていかない日でも、体が覚えている分だけ私を助けてくれる。明日はちゃんと早く帰れますように、なんて願いながら、電気を消して眠りについた。
※この記事は個人の体験・感想であり、効果を保証するものではありません。肌に合わない場合は使用を中止してください。
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メイクを落とさずに寝てしまうのがいちばん良くないと言われているのは、私でも知っている。だからどんなに疲れていても、クレンジングだけは玄関を入って十五分以内にやると決めた。ソファに座ってしまうと二度と立ち上がれないので、座る前に洗面所へ直行する。この「座らない作戦」は、残業の夜の私を何度も救ってくれている。
窓に映った疲れた顔は、できれば見たくないものだけれど、あれはあれで「今日もちゃんと働いた証拠」でもある。家に帰って、化粧を落として、化粧水を飛び散らかして(笑)、眠る。それだけできた日は、もうじゅうぶん頑張った日だ。明日の窓には、もう少しましな顔が映りますように。
そういえば、疲れた夜ほど湯船に浸かったほうがいいと聞くけれど、正直、真夏の残業後にそれは高いハードルだ。だから私は「シャワーのあと三分だけ足首を回す」という妥協案を採用している。むくんだ足が少し軽くなるだけで、眠りに入るときの体の重さが違う気がする。理想と現実のあいだの落としどころを探すのも、一人暮らしの技術のうちだと思う。
ベッドに入る前、明日の服と鞄の中身だけは用意しておいた。朝の自分への小さな引き継ぎのつもりだ。疲れた夜の数分の仕込みが、翌朝の余裕になって返ってくる。この貸し借りの仕組みに気づいてから、残業の夜も少しだけ前向きに終えられるようになった。
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