化粧台の引き出しを片付けようと思ったのは、開けるたびに何かが引っかかる感じがしていたからだ。乳液のボトルとオイルの小瓶、使いかけのコットン、試供品の袋。順番も何もなく詰め込まれていて、探すたびに手が迷っていた。
平日の午後、少し時間ができたので、思い切って全部出してみた。並べてみると、同じような役割のものが二つも三つもあることに気づく。似ているようで質感が違ったり、香りの好みで買ったはずが結局使わなかったり。理由はそれぞれあったはずなのに、今の自分には要らないものも混じっていた。買った時の気分まで、なんとなく思い出す。
選ぶときにいつも迷うのは、パッケージの言葉やランキングに引っ張られることだ。良さそうに見えても、自分の肌や髪に合うかどうかは、使ってみないとわからない。友人に勧められて試したものが、自分にはしっくりこなかったこともある。逆に、なんとなく手に取ったものが、思いのほか長く続いていたりもする。今回引き出しを整理して感じたのは、選ぶ基準は結局、その時々の自分の状態次第だということだった。乾燥が気になる時期と、そうでない時期とでは、欲しいものが違う。
残すものを選び直しながら、値段や評判よりも、触った時の感触や、続けやすいかどうかを優先しようと決めた。使い切れずに溜め込んでいたものは、思い切って手放すことにした。無理に増やさず、今の自分に合うものだけを、少しずつ試していけたらいい。そう思うと、散らかっていた引き出しも、案外気持ちよく片付いた。
窓から差し込む午後の光が、片付いた引き出しの中を明るく照らしていた。空いたスペースを見て、少し呼吸がしやすくなった気がした。次に何かを選ぶときは、今日感じたことを思い出したい。
片付けをしてみて気づいたのは、化粧品にも使用期限のようなものがあるらしいということだ。開封してから時間がたったものは、香りや質感が変わることもあると聞く。引き出しの奥から出てきた数年もののボトルたちは、そういう意味でも手放しどきだったのだと思う。もったいない気持ちはあるけれど、肌にのせるものだから、新鮮さも大事にしたい。
収納の仕方も少し変えてみた。毎日使うものだけを手前の一列に置いて、ときどき使うものは奥へ。たったこれだけで、朝の支度の迷いが減った。選択肢が多いほど迷うのは、服も化粧品も同じらしい。「今の自分のスタメン」だけが見える引き出しは、開けるたびに気持ちがいい。
午後の片付けは、物の整理のつもりが、自分の選び方の整理にもなった。次に引き出しがまた散らかってきたら、それは選び方がぶれてきたサインなのかもしれない。半年に一度くらいは、こうして全部出してみようと思う。
手放したものの中には、頂き物の高級そうなクリームもあった。もったいなくて使えないまま時間だけが過ぎていたのだけれど、化粧品は飾るものではなく使うものだと、今回ようやく踏ん切りがついた。これからは頂き物こそ真っ先に開封しようと思う。物を大事にするというのは、しまい込むことではなく使い切ることなのだと、引き出しに教わった。
片付けの最後に、引き出しの中に小さな乾燥剤を入れておいた。湿気の多い季節、収納の中の環境も少しは気にしたほうがいいと聞いたからだ。道具を大事にする人の真似ごとみたいだけれど、形から入るのも案外悪くない。次に開けるときの気分が、今から少し楽しみだ。
※この記事は個人の体験・感想であり、効果を保証するものではありません。肌に合わない場合は使用を中止してください。
あわせて読みたい
・月曜の朝、扇風機の前で乾かした前髪と、譲れない一手間
・水曜日の午後三時、エアコンの風の中で気づいた頭皮の乾き
【PR】髪のうるおいケアが気になる方へのご紹介(アフィリエイトリンクを含みます)

コメント